小千谷市で開かれたイナカレッジ オープンセミナーに参加しました。
その時の内容をご報告いたします。皆様の参考になれば幸いです。
以下、メモです。
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日 時:2015/06/25 (木) 11:00~16:00
イナカレッジ オープンセミナー
第1回 岩沢アチコタネーゼ/農家レストラン『山紫』
場所:小千谷市 岩沢住民センター/農家レストラン『山紫』
全体所見:
・岩沢地区は268世帯、826人、糸魚川市の各地区(上南、根知、上早川等)と同規模であり、
震災をきっかけにしながら、堅実なやりかた(地元の主体的な動き)で、地域づくりを進めていると感じた。
今後も岩沢地区はウォッチしたい。今後の地域づくりに(特に「地元住民の若者も含めた話し合いの場づくり」など)参考にしていきたい。
活動内容詳細:
8:30-10:30 移動(市役所→会場)
11:00-16:00
※タイムスケジュールは添付資料参照のこと
以下、研修内容と所見
■岩沢地区について、地域づくりの特徴
・今回のケースとなっている「岩沢地区」は典型的な地域課題を持つ、糸魚川市の地区と同規模。
→268世帯、826人。少子高齢化、担い手不足、コミュニティ希薄化、世代間価値観ギャップ等々
・岩沢地区の地域づくりの特徴、流れは以下
①H16年の中越大震災で大きな被害を受けた地区→復興支援員等が地域に入り地道な活動を続けてきた
②H23年の東日本大震災で積極的な支援活動。「東北被災地支援を考える会」結成
→この会が地域づくりの母体に発展していく
→この会にて地域住民の話し合いを繰り返し「住民の話し合いと連携の場づくりが必要」となった
→「よ~なべ談議 住民座談会」を実施し若者の声をきき、一緒に考える
③H24年に「岩沢アチコタネーゼ」設立 ※あちこたねぇ=心配いらない
※2つの震災が大きなきっかけとはいえ、話し合いの場づくりを住民が意識し組織設立までもっていった動きは素晴らしい。
■岩沢アチコタネーゼについて
・会員制。82名。高校生から82歳まで。地区の有力事業者たちも会員となっており、資金協力をしてくれている。
・岩沢地区のトップ組織は町内会長協議会であるが、その事業主体が岩沢アチコタネーゼとなっている。
→実際に事業を実施する実働部隊であり、「住民活動団体」という位置づけになっている。
・活動内容は地域づくりに必要とされる多岐にわたるものとなっている。
・メンバーは会員、地域おこし協力隊が中心のようだ(詳細確認できず)
■農家レストラン『山紫』
・岩沢アチコタネーゼの活動の中の位置づけ。地元野菜の活用、収入源、雇用確保、等々が目的。
・H25年の8月オープン、木曜日以外は営業。プロの料理人さんを手配。食材は基本的に地元の畑から。
・特徴のひとつは夜の営業。夜の営業は週3日だけであるが、平日に比べ平均単価は2倍以上、全体売上の半分を稼ぎ出している。
→夜はお酒が売り上げに大きく貢献しているとのこと。夜といっても20時までの営業であるが、その効果は非常に大きい。
・特徴のもう一つは、昨年の12月からはじめたというバイキング「ごっつぉバイキング」。毎週火曜日(火曜日が一番集客が弱いため、意図的にこの曜日にしたとのこと)の週1回、1,200円。これが大変魅力的であった。
→バイキングをはじめた一番の理由は、いつも勤務している料理人さんご夫婦の休みを作るため。
→地元のおばちゃんと地域おこし協力隊(女性)がバイキングを担当。おばちゃんたちが畑の野菜を自ら収穫して料理をしている。
・バイキングは、20種類以上の料理を準備しており、地元食材を手作りで提供。とても珍しい天ぷら(マリーゴールドやバラなど)もある。天ぷら、お浸し、漬物、煮物、唐揚げ、ケーキ、ゼリー、ごはん、おにぎり、お味噌汁。これで1,200円はちょっとすごい。十分集客要素がある。
・山紫の中でおばちゃんにお聞きしたところ、まだ始めて半年で、この路線でいいのか手探り状態。ただ毎日NHK「まれ」をみて、それから畑に行って収穫して、みんなで集まって、ワイワイやりながら準備する、楽しくやっているのがいい、がんばっていきたい、と熱意のこもった表情でお話しされていた。
・経営状況は経費の半分が食材ということで、地元野菜の活用・収入源とする、という目的に沿った結果だと思われる。
→まだバイキングがはじまって半年であるが、山紫自体がオープンして2年たつということで、このやり方でもやっていけるのだと若干驚きを感じた(もう少し詳しく聞いていかないと本当の実態が不明だけど)。
・バイキングのおばちゃんたちは定年退職したメンバーで、母体は「まごころ市」という地元のお母さん達のグループ(現在70代中心)。
・設立時は「過疎集落活用支援金」という制度で1000万円足りないためアチコタネーゼ会員の寄付も集め、なんとか設立した。
■その他、本地域の特徴など。
・岩沢アチコタネーゼの説明をしてくれたのは駒井さんという副代表であり小千谷の市議会議員さん。この地域活動団体含め、地元の活動に積極的に熱心に市議会議員さんが関わっておられるようだった(資金集めや復興支援員、地域おこし協力隊との連携など)。
・岩沢地区にはもう一人地域おこし協力隊が最近はいった。農家民宿に向けた活動をしているとのこと。
■15時(後半)からのグループ討論にて
・南魚沼市の浦佐地域づくり協議会の関さんの話が印象的であった。
→農業は宝の山、いくらでも収入に結び付くネタがある。うちでいえば八色スイカがそうだし、今は八色しいたけ(だったか?)が順調。魚沼産のお米も昔はまずかった。理由は土。土の改良からはじめて、その当時の食管法に触れるようなことをしながら(お米を直接首都圏に行って試食してもらったりした)、地道な努力を積み重ねて今の魚沼産ブランドを作った。農業は本当に工夫次第でいくらでも儲かるはず。
・その他。テーブルFのメンバーは「過疎地域に税金をこれほどかけて維持していく必要があるのか、地域の中心地に使って本当に地域がなくならないように、また頑張っている農家への支援など、そういうことに使うべきでは。数人の集落にどれだけのお金がかかっているか。感情論では日本全体がだめになるのではないか」との論調の人が意外なほど多かった。
16:30-18:30 移動(会場→市役所)
メモ:
毎回、様々な立場の方に会え、初めて聞くような話をきける。今回も有益な研修となった。参加の機会をいただいて感謝いたします。
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以上
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