根知地区の大久保と隣接する長野県小谷村の戸土「境の宮」にて
「式年薙鎌打ち神事(しきねんなぎかまうちしんじ)」が執り行われました。
※根知において戸土はとても身近な場所です。根知の旧大久保集落では昭和30年ごろまで小学生は戸土の小学校に通っていました。中学校は戸土の中学生も根知の中学校に通っていました。
産業も大久保、戸土ともに炭焼き、林業が中心で、様々な助け合って生活し、運動会も一緒にやられていたとのことです。このような身近な戸土での珍しい7年に一度の神事、取材しました。
※戸土の「境の宮」までは大久保から歩いて15分ほどのところです。
霧がかかり、霧雨が時々降る天候です。
神事は10時から始まります。
旧大久保集落のあたりに3つの駐車場が準備されています。
小谷村の方々が大勢スタッフとして来られていました。交通整理もされています。
8時30分過ぎには、その中で一番大きな駐車場が満車となりました。あと残りは大久保からしろ池の森公園に向かう道側に2か所、20台ほどがとまれるスペースがあるくらいです。
この駐車場からは歩きます。
歩いてほどなく県境。新潟県糸魚川市と長野県小谷村戸土の境を示す看板が見えます。
ここからの道はとても狭く、車がすれ違う場所やUターンできる場所がほとんどありません。
歩いて10分ほどで「境の宮」の参道入り口へ。
小さな看板があります。ここからは雨の影響もあり、かなりの悪路。
今日は長靴が正解でした。ずるずる滑るぬかるみを気を付けながら、できるだけ端の草のある場所を歩きます。
歩いて数分で開けたエリアへ。境の宮の境内。神社もみえました。
その入口には受付ブース。パンフレットなどが置かれていました。
ちょうど20名程の団体のみなさんがなんと奥の山道から現れました。
※8時過ぎにしろ池を出発して塩の道を通ってきたとのことです。
御清水の看板。浄めてから境内に入ります。
9時40分ごろ
すでに多くの方々が神事が始まるのを待っておられます。
神事が始まるまでの間、なぎ鎌をうつ神木が一般の方でも近くで観られるように公開されていました。入れ代わり多くの方が舞台に登って神木、そして過去に打ち込められた歴代のなぎ鎌を見学していました。
10時少し前。ざっと見渡す限り200名以上の見学者がいらっしゃると思われます。
雨よけのブルーシートで入口をカバーしている境の宮の神社
中ではほぼ準備が終わっているようです。
神社の入口横にある看板には、「式年薙鎌打ち神事」についての説明がわかりやすく書かれています。
10時ごろ。突然、雅楽の音が響きます。
お清めお祓いの儀式がはじまりました。
神社入り口での儀式の後、
神木の前にて儀式が行われました。
10時45分ごろ
薙鎌(なぎかま)打ちの神事が始まりました。
各諏訪神社の宮司の方々が神木に向かいます。10名近くの神職の方々が出られました。
動画:雅楽が流れる中、神木に向かう様子です。
合計9回打ち込んで終了。
あっという間の出来事でした。
(しばしざわめきあり。エッもう終わったの?といった声も聞こえます・・・)
薙鎌を打ち込んだ後、神木の前で祝詞(のりと)が7名ほどの神職の方々により唱えられました。
これだけの人数での祝詞はあまり聞いたことがありません。とても素晴らしいものでした。
その後、神社内にて玉串奉奠(たまぐしほうてん)がはじまりました。
視察の私たち(糸魚川市の集落支援員や地域おこし協力隊)は境の宮を後にしました。
※薙鎌打ち神事が終わると見学者の多くの方々が帰られていきました。
境の宮には、根知の方々も見られました。「根知に生まれ、ずっと根知に住んでいるけれど、すぐ近くでこのような珍しい神事があるとは知らなかった。生まれて初めて見学に来た。」とおっしゃる方が何名もおられました。
次回、戸土の境の宮で行われるのは12年後の未の年。霧がかかる神秘的な場、根知のすぐ隣での不思議な時間と空間が現れた神事でした。
今日の夜は根知の代表的なお祭りの一つ、日吉神社秋季大祭の宵の宮が行われます。
※諏訪大社御柱祭の前年、数え7年に一度(丑年と未年)行われる神事で中谷大宮諏訪神社例祭(毎年8月最終日曜日)の翌日に行われます。
※諏訪大社宮司一行が小谷村の中谷大宮諏訪神社に二体のなぎ鎌を奉持し、うち一体を信越国境である戸土の「境の宮」と仲股の「小倉明神」の御神木に7年ごとに交互に打ち込む(丑年は小倉明神、未年は境の宮)
記事:集落支援員(近藤)
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