集落支援員 近藤(根知地区担当)が、
妙高市の燕温泉地区で行われた、有志の地域づくり会合に参加しました。
その時の内容をご報告いたします。皆様の参考になれば幸いです。
※特に後半の地元の方々の数十年におよぶ努力については、根知地区に負けない地域愛と活動に頭が下がりました。またこれだけの魅力的な自然や資源、そして活性化への努力があっても、人口減、過疎化の流れをとめられないという現実の厳しさを改めて感じました。
以下、メモです。
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日 時:2015/04/11 (土)
会 場:妙高市 燕温泉 ホテル花文
時間:15:00-01:00
時間内訳:
・15:00-17:00(移動)
・17:00-17:30(情報交換)
・17:30-20:30(会合)
・20:30-23:00(懇親会)
・23:00-01:00(移動)
内容:
①獣害駆除、ジビエ活用、自然保護の視点による地域活性化についての会合
②燕温泉地区の地域づくり活動を中心とした意見交換会(懇親会)
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□前半の会合(17:30-20:30)
出席者
中越防災メンバー、「新潟移住女子」メンバー、復興支援員さん
森のようちえん園長、妙高地域サポート人
糸魚川市集落支援員 近藤
復興支援員さんの話 概要
・川口の地域活性化の一つとしてジビエを活用した加工食品やレストランを模索している。「yamakawa_san」という団体を立ち上げた。
→この団体はジビエを活用したイベント、産業おこしを目的としたもの。名前の由来は、山、川、太陽で山と川の暮らしに光を!というイメージで作ったもの。
・このグループを立ち上げたきっかけは、復興支援のイベントで川口のベテラン狩猟者の方から、シカやイノシシやウサギの燻製、煮込みや様々な料理が試食としてでて、その驚きのうまさから。また、糸魚川市出身で東京でジビエ料理をやっている株式会社ブーシェリー代表、神谷英生さんも川口のジビエの質をほめてくれた。これらをきっかけに団体を立ち上げた。
中越防災メンバさん
※「yamakawa_san」の話中心
・「yamakawa_san」は今年から積極的にイベント活動をしていきたい。復興支援の仕事と重なるところが多い。ジビエのイベントを昨年経験して、やはり実行部隊と参加者双方が喜べる魅力的なイベント、活動である必要を改めて感じた。昨年のジビエイベントはほんとうにその美味しさ、料理方法の斬新さに驚いた。こういう感動が地域づくりには必要だと思う。
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□後半(20:30-23:00)は懇親会となった。
ここから、以下の地元燕温泉地区の方々4名から参加していただいた。
以下主な話
燕温泉全体
・現在地に温泉街ができて120年ほど。その始まりは伝説として弘法大師の発見とされる。
・現在は5軒の旅館と2軒の商店。30年前(バブル期)がピークで8軒の旅館、2軒の商店があった。
・燕温泉には山岳スキー場があった。運営はコクドで2005年に経営難で閉鎖。それからは一気に観光客がへった。
・今は夏のほうが冬よりも観光客数が多いくらい(スキー場があったときは冬のほうが圧倒的に多かった)
・(地元の方のお話しをお聞きすると)燕温泉は山岳スキーとの関連が非常に強いようだ。全国の大学のスキー部、山岳部が合宿所として燕温泉を利用(長期滞在)し、地元の方々はその大学の先生方からも多くの教育を受けて育ってきている。
→そういう意味でもスキー場がなくなったことは大きな影響を与えているようだ。
以下、地元の皆さんからのお話し。
・これまで様々な生き残り策をやってきた。懇親会で出てきた絶品のワイン、ブドウジュースは二人手作り。山ブドウを栽培して作っている。商品化しようと相当がんばったけど上手くいかなかった(詳細省略)。そのため今は燕温泉の料理の食前酒に出す程度。
・温泉の温水を利用した山菜の栽培もやっている。ウドは絶品であった。
※その他、燕温泉地区の地域運営(水回りと地すべり、妙高山登山口の草刈り人足、登山道整備等々)が高齢化で年々難しくなっているお話しをじっくりお聞きできた。
・(若手の方)営業や広報を手掛けたい。旅館個別ではなく燕温泉全体で一致団結して生き残りのための策をうっていきたい。
その他全体
・今、雪を集めて、7月に雪のイベントをしようとしている。周りのスキー場などでは失敗(7月まで雪が残らない)しているが、なんとかやってみたい。
※本当にぎりぎりのところで頑張っている様子が痛いほど伝わる。
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全体所見
・今回の会合は、特に後半の燕温泉の方々が参加してからのものが非常に印象にのこった。また貴重なお話しをお聞きでいた。
・燕温泉地区も典型的な中山間の過疎地域。糸魚川と大きく異なるのは農村ではなく純粋な温泉街であり、観光収入がほとんどを占めるところであること。そのなかで山ブドウや山菜などの栽培、商品開発を行っていることも注目できる。
・糸魚川と共通するのは、大変魅力的な自然環境をもっていること。燕温泉地区はその温泉自体も魅力であるが、妙高山の唯一の登山口でもある。そしてこのような魅力的で売込みできる資源があるにもかかわらずかなりの過疎化、衰退が起こっている。
・日本の中山間地域の復活は、今までの延長では無理だろう。今の日本の状況をしっかり認識した上での動き(人口減は数十年前からあった。その上今は経済的停滞・低下する方向が加わっている)とは別の視点でブレイクスルーを見つける必要がある。
→個人的にはブレイクスルーは見つけている。それは昔からある手法であるがどこもほとんどやってこなかったこと。それは地元の一人ひとりに地元の情報を平等に流し続け共有する(テレビや全国紙の情報より地域の情報を皆が求めるような質が必要)ことと(必要条件)、その上で世代を超えて直接会って話す機会(できたら時間制限なしの)を月に一度以上設けること。これを3年続けた地域は大きな変化をとげるだろう(その変化を土壌として、その地域に必要な地域活動が自然発生的に生まれてくると考える)。
以上
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