2014年6月30日月曜日

平成26年度 根知小学校 防災キャンプ(2日目)

2014年6月30日(月)
平成26年度 根知小学校の防災キャンプ2日目です。

※1日目はこちらから→平成26年度 根知小学校 防災キャンプ(1日目)

6:00 起床
6:30 リーダー会議
7:00 朝食(配給されたパン・水、缶詰等を班で分けて食べる)
※ここまでは取材できておりませんので、先生方に様子をおききしました。
まず、昨日のテント設営の時に気になっていた、地面の硬さと冷たさ、これは問題なかったようです(驚きです)。低学年生たちは東中パトロールのあと、すぐにぐっすり寝たとのことでした。高学年になるにつれ、すぐには寝られず(積もる話もあるのかな・・・)、11時くらいまで起きている子もいたとのことでした。
さぁ、今日も朝からミッションがあります。高学年生、寝不足なんていってられないぞぉ

8:30
■ミッション4 「魔女のお菓子作り」

お菓子作り体験です。
すっかりテントを片づけて(干し中)、縦割り班で整列します。

このお菓子作り体験は、
東日本大震災でも役に立った、地元の食材を使ったお菓子作りについて、
東大庭師倶楽部の宮先生によるご指導で行います。
非常時にも可能なように、食材だけでなく、
火のおこし方、かまどの作り方も、その場で可能なやり方でやる実践訓練です。

下の写真は、講師を待つ様子(^_^;)。少々講師の到着が遅れております。
天気はとてもよく晴れていました。
しかし・・・駒ヶ岳のほうは雲がかかっています。
今日も、昨日同様、不安定な雰囲気。風もなんだか怪しい・・・
事前に体育館横に近くの石を集めてかまどを作っています(あとで講師にチェックしていただきます)。
会場には長テーブル。
道具もそろえて、準備OK!です。
講師の宮先生がいらっしゃいました。
挨拶のあと、とても大切なお話しがはじまりました。
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私(宮先生)は、森の研究をしています。
森と人が一緒に生きる方法、自然との共生をテーマに研究しています。
そんな中、東日本大震災のあと、被災地にボランティアで行く中で、ポーランドからきた魔女と出会いました。(あとでまた出てきますが、ポーランドは自然豊かで昔からの伝統、文化を大切にする国です)
その魔女は現代の魔女(正式には「白魔女」というそうです)で「森のお医者さん」。森に存在するものでお菓子を作る技を使って、被災地で大変喜ばれました。

自然の中でお菓子を作る、これは非常時にも大変役にたつので、みんなも是非学んでほしいです。

ケーキを作るには、まず火をつける必要がありますね。これは一番いいのは虫眼鏡!あとルーペや老眼鏡(!)なども使えます。
火をつける物はトイレットペーパーはとってもいい。それに新聞紙や牛乳パックも使い方によってとても役に立つよ。湿気ているのは火の付が本当に悪いので気を付けよう。

かまどは石で囲むけど、なぜ囲むのかな?そうだね、風を防ぐことと、もう一つ、周りに火が広がらないため、というのも大事な目的だよ

魔女は「地元の季節の旬のものを使いなさい」と言っていたよ。
今回は糸魚川の「つるいちご」をケーキのトッピングに使おう。
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こんな内容のお話しをしてくださいました。
さて、説明が終わり、実際にはじめましょう、とかまどに皆で向かいます。
かまどの石の組み方、大変よくできているとのことでした(先生より)
「大きな石を運ぶ時は転がして移動させよう。
災害のときは医者があちこちに行っていてなかなか見つからない。
怪我は(いつも以上に)しないように気を付けて。」
なるほど・・・
さっそく、火をつけてみましょう。
直径5,6センチの小さな虫眼鏡で実験してみます。
焦点があって、光の輪が小さくなると、煙が出てきました。
ルーペ、老眼鏡を使ったやり方も実際に使って説明してくださいました。
会場に張り出されている模造紙は、「かまどのつくりかた」「魔女のケーキのつくりかた」です(^^)
それでは、かまどに火を入れます。
新聞を棒状に丸めたものに火をつけ、
前々から集めていた乾燥した木切れで火をひろげ、
炭に火をつけます。その上に太目の木ものせておきます。
炭に火が入るのはなかなか大変。
宮先生が周りの物(段ボール)から風を作って、扇ぎに扇いで10分ほどで炭に火がつきました。
先生から
「火がついたので、少しポーランドのお話しします。」
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ポーランドは自然の中での昔からの生活が息づいています。
(首都の)ワルシャワ以外は、車がありません、電気もないです。
なので夜はローソクで過ごしています。
本当に自然が多く、古くからの伝統が残っています。

魔女は今は白魔女と言われて自然との共生の技をもっています。今回はその白魔女さんのレシピを紹介しました。

ワルシャワの学生を日本で受け入れた時に、学生はがっかりするんです。
何故かって聞くと、教科書で習った日本がどこにもないというのです。
森、山、起伏、滝のような川(ワルシャワの学生からみると日本の川は川ではない。日本に川はないそうです・・・滝なんだって)、山の上からの見下ろした風景(ワルシャワには高い山がない)、それが教科書で習った日本、そういう日本が見たかったというのです。
それで、糸魚川に連れてくるとみんな大喜びするんですよ。
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日本に住んでいると当たり前の事、それが当たり前ではないということに改めて気づかされる貴重なお話しでした。

10:00
さて、それぞれの班では、生地をこねはじめます。
これも結構な重労働なんだよね。
「バターとかさないと。○○!かまどに行って溶かしてきて!」リーダーが次々と指示を出して、ケーキ作りが進んでいきます。
かまどの管理は保護者のお父さん方と先生でばっちり。
生地ができたら、糸魚川の「つるイチゴ」「キイチゴ」「ブルーベリー」などをデコレーショントッピング!
それぞれの班の性格がでる場面ですね~(^^)
飾り付けまでできた班から、かまどにのせていきます。
かまどは大きな石が4つ並べられていて、そのまわりに火をつけて石を熱してあります。
ここの班は、ホントに丁寧にトッピングを飾り付けていました。
見る人見る人が感嘆の声を上げます。
10:40
4つともそろったかまど。
よ~く見ると、左から3番目のケース(一番丁寧にトッピングの飾り付けをしていた3班のもの)の位置が、少し前に来ているのです。
このあと、温まるにつれ、ずるずると前に滑ってきて、中身が半分以上こぼれてしまったのでした・・・
しっかり置かないと、土台が安定していないといけない、この教訓は一生忘れずにいたい・・・
ケーキを焼いている間に、ここで干していたテントの片づけを行います。
暑い日差しの中、これは、かなりの厳しいミッションになりました。
よくがんばりました。
白組はもう終わっていたのですが、紅組がまだでした。
白組からも手伝う人がでてきて、頑張って乗り切りました。

※テントの片づけは大人でも大変です。特に日差しが高くなってからやろうとしたときは、もうだらだらです。様子をみていましたが、子供たち、ほんとうによくがんばりました。
上を見ると、2階には寝袋が干されています。これもたたみます。
※これら、一連のテント宿泊についてくる作業、大変ですが、やればやるほど上手になります。とてもいい経験でした。

11:10
さて、ケーキのほうも焼けてきているようです。
もう少し焼いた方がいいかなぁ・・・
2つ残して、焼き上げていきます。
このあたりは、宮先生の独壇場。
※今回の経験を生かして、いづれ子供たちも自分で作れるようになるといいですね。
11:30
みんな焼けました!(^^)
どうかなぁ・・・上手く焼けているかなぁ・・・ドキドキしながらおっかなびっくりチェックする子供たちです。
実際、焼けているところもあるのに、ある部分だけドロドロしているケーキもありました。石焼きの難しいところでしょうか・・・これもいい経験ですね。
先生の計らいで、
なんと魔女のケーキの本物(ポーランドの魔女さんが作ってくれたケーキ)を持ってきてくれていました。
この魔女が作ってくれたケーキもみんなで食べます(^^)
あま~い匂いが立ち込めています。
少しずつ切り取って分けていきます。
いただきます!
ミッション 完了!
かまど石焼、微妙な火の調整はできないのに、こんな素敵なケーキが食べられるんですね。
実際のできは、焼け方の差が型の位置によって大きく、カリカリのところ、しっとりのところ、変化に富んでいましたね。ごはんでいうオコゲのようなものかな・・・
これが自然と共生する魔女のケーキ!

※このとき、宮先生と少し個人的にお話しをしました。
宮先生は、ここ糸魚川を研究拠点にして5年目。月に2度、東京の目黒から糸魚川に来ているそうです(講演、講師として)
来年は糸魚川の古民家をリフォームして関東の人に紹介する活動もしていきたいとのことでした。
糸魚川は本当に魅力がある、残念なのは、宣伝が弱いことだそうです。
「糸魚川産の素材を使ったパテェシエ、いいんじゃないかなぁと思っているんです。」と何度か繰り返しておられました。
ポーランドの白魔女さんが糸魚川をたいそう気に入られているんだけど(日本酒に大変興味をもっているそうです)、糸魚川の酒屋さんへの就職は難しそうだし、どうやって糸魚川に移住してもらえるか、今考えているそうです(是非来てほしいですね)。
11:50ごろ
ケーキ作りも無事成功して、宮先生の講評です。


さて。この2日間のミッションもすべて終わりました。
そして、いよいよこのときが来てしまいました。
避難所の閉所式です。
校長先生から一人ひとりに修了書が渡されます。
学年(体験回数)によって、修了書の級数が異なっていました。
修了書の授与が終わって、
各学年の代表と6年生全員による、避難所生活を振り返っての発表です。
※途中、6年生の発表のとき、いきなり雨。しかもどしゃ降りに・・・急いでピロティーの中へ。
振り返り。みんなが楽しかったことは・・・
・みんなで協力したテント設営
・ウォークラリー(1日目の午前中)で放水体験できたこと
・ホタルをテントの中に入れて寝た事
・ケーキ作り(魔女のお菓子作り)
・みんなでカレーを作ったこと
等々です。
みんな一生の大切な体験を得たのではないでしょうか。

1泊2日の防災キャンプ
今年も無事終わりました。
子供たちの素晴らしい力に感動しました。そして一回り逞しくなった根知の子供たちです。

みなさん、御疲れ様でした!

※1日目はこちらから→平成26年度 根知小学校 防災キャンプ(1日目)

記事:集落支援員(近藤)

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