ご自宅にて、山田至爻さんにインタビューをさせていただきました。
※ダイジェスト版を根知振興協議会ニュース(No.2)に載っています
※以下、インタビューの全体です。
------ 子供のころのお話しを。
昭和3年(5歳の時)に昭和天皇の即位式があった。2日間、昼は旗行列、夜は提灯行列でにぎわった。
山口は、料理屋が2軒あり、とてもひらけた街だった。
昭和5,6年には、サーカスが馬車で山口にきた。酒屋さんのあったところで開催されていたが、よく覚えている。そしてそのあと、満州事変が起こるんだ。
根知を90年みてきた人間はもうほとんど残っておらん。さみしいことだ。
------ 今の地域の状況をどうお考えですか?
今ぐらい嫌な後味の悪い時代はない。
過疎集落、限界集落、消滅集落、とんでもない話だ。
「これ以上、故郷を小さくしたくない。減らしたくない」
根知、糸魚川がこれほど衰退している理由は大きく2つだと思う。
一つは市町村合併。合併すればするほど、必ず中心になんでも集まっていく。
もう一つは教育。家族生活(3世代同居)を中心とした生活から核家族へ。これは学校教育が大きく影響している。ドイツは戦後独立した時に教育の昔の良い部分を復活させた。日本も昭和27年からの戦後独立のときに教育をもとに戻すべきであった。教育勅語の11番までは、本当に大事なことだ。※ここでスラスラと教育勅語を諳んじられます。
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父母ニ孝ニ (親に孝養を尽くしましょう)
兄弟ニ友ニ (兄弟・姉妹は仲良くしましょう)
夫婦相和シ (夫婦は互いに分を守り仲睦まじくしましょう)
朋友相信シ (友だちはお互いに信じ合いましょう)
恭儉己レヲ持シ (自分の言動を慎みましょう)
博愛衆ニ及ホシ (広く全ての人に慈愛の手を差し伸べましょう)
學ヲ修メ業ヲ習ヒ (勉学に励み職業を身につけましょう)
以テ智能ヲ啓發シ (知識を養い才能を伸ばしましょう)
德器ヲ成就シ (人格の向上に努めましょう)
進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ (広く世の人々や社会のためになる仕事に励みましょう)
常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ (法律や規則を守り社会の秩序に従いましょう)
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農村の重要性はずっと意識していた。
小学校3,4年生のときの教科書でいまでも印象に強く残っていることがある。フランスが第一次世界大戦で陥落したときのことを書いてあり「フランスはどんな状況になっても農村があるかぎり滅びない」という記述があった。
昭和62年に議員をやめて7月から公民館長になった。すぐに村おこしをやらんといけんと思い立ち行動を開始した。
一番印象にあるのは、平成8年のふるさとカルタ。各地区に標地を作り、ふるさとカルタ巡りなどを行ったよ。
------ 山田さんの夢は?
私には地域おこしの夢がある。根知にはスキー場、塩の道、温泉、伝統文化、山、がある。
スキー場の前に「道の駅」を作りたい。その横に「雨飾工芸館」を作りたい。
その「雨飾工芸館」には、根知の宝である芸術家の作品や名産などを展示販売したい。根知には、彫刻家、画家、盆栽、チェーンソー工芸、木工、陶芸、そして笹寿司などの名産、たくさん素晴らしいものがある。これを「雨飾工芸館」で広く紹介したい。
農村は人間養成所だ。人が鍛えられ成長する。しかし、成長したあと外に出て行ってしまう。
地域が維持できるためには、どうしても人数が必要だ。そのためには「アッ」というやり方をしないと難しい。そして、地元の人間がその気にならないと何も実現しない。
あとしたいことは…
・国旗を全戸に配布したい。
・公民館近くに塔を建て、千年桜を植える。みんなで育て、心を一つに、根知のシンボルにしたいな。
・電気の地産地消。根知の環境を生かせば、風力、水力、太陽光、そして木材発電。根知を電化村にしたい。とくにこの杉林をなんとかしたい。いったい国は森林資源をどう考えているのか…
公民館に立てる塔は四面の塔で各面にはこのような文を刻みたい。
「よみがえれ故郷」
「若者よ、故郷へ帰ろう」
「家族生活を復活しよう」
「電気地産地消、モデル特区」
あとはやはり公民館近くにスーパーを作りたい。根知のみんなが根知でお金を使えるようにしたい。
根知の構想としては、上根知が「観光」、中根知は「文化・教育」、下根知が「誇れる作物生産」
「わが胸の 燃ゆる思いに くらぶれば 煙はうすし 桜島山」(平野國臣)
私は毎日この歌を口ずさんでいる。
まわりは私の夢をきいて笑うかもしれないが、人間は夢をもたないと生きられないと思う。夢を持つことで「生きている」といえると思う。「あきらめは一瞬、後悔は一生」。
私が作った根知の詩がある。
「春爛漫 桜花に誘われ
夏ほたる乱舞 幽玄の境地
秋は美田豊かに 稲穂が実り 稚児が舞う
冬はこんこんと湧く出湯に疲れを癒す
春夏秋冬 夢のパラダイス」
~以上~
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すらすらと過去の出来事を年・月も一緒に諳んじられることに驚きました。
そしてなんといっても、根知に対する熱い思い、故郷への愛情が本当にヒシヒシと強く、深く伝わってきました。
90歳を過ぎた今でも、畑をしているという驚きのお元気さ。これからも根知のご意見番として、ご指導いただきたいと思います。
まだまだお話しは尽きません。これからもお聞きしていきたいです。
今日は本当にありがとうございました。
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(記事編集:集落みまもり隊 近藤)
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