「にいがた移住シンポジウム」に参加しました。
その時の内容をご報告いたします。皆様の参考になれば幸いです。
以下、メモです。
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日 時:12月5日(金)14:00~17:00
会 場:アオーレ長岡交流ホールBC
第一部 「里山資本主義から若者移住を考える」14:05~15:35
講師:藻谷 浩介(日本総合研究所調査部主席研究員)
【概要】
■統計からみた人口動態と新潟
・全国的に子供、65歳未満人口割合は減少し、65歳以上高齢者の人口割合は増加する。
・東京、中国(中華人民共和国)は75歳人口割合が急増する。
・新潟県は明治から人口横ばい(明治4年の初の国勢調査では最も人口が多い都道府県であった)。
→食料自給率は100%、水自給率も100%(主に首都圏に供給もしている)、エネルギー自給率もやれば100%いけるはず
→そんな新潟県は本来は移民が殺到してもいい最高の場所であるが、島国でもあり、そうなっていない。
■他地域参考
・秋田県大潟村。全員農業で食べていけている。そういうところは人口減らない。若者、高齢者の人口割合も変わらない。
■日本の国際収支赤字部分からみる弱いところ
・ガソリン。1960年代は安かった。今はそのときの3倍。これはシャブ中毒と一緒。
→石油メジャーの戦略か?
→油代がかかりすぎて、若い世代のための雇用が生まれない。
→60年代当時は輸入額5兆円。今は30兆円。円安の影響もありこうなっている。
・日本の世界各国との国際収支。赤字なのは中東、オーストラリアなどのエネルギー関係とフランス、イタリア、スイスなどの農業国。
→食糧関係に弱い。ワイン、チーズ、パスタ、オリーブオイル等々
■ではこれからどうすればいいか?
・とにかくお金の流れ。地域外にでていくお金を減らせばいい。
→地域活性といって直売所が言われるが、おじいちゃん、おばあちゃんがやっていても地域活性にならない。実は直売所に参加している高齢者はお金に困っていない人が多い。そして稼いだら貯金して、亡くなったら東京の子供達に送られる。
※このことはプレゼン資料1枚に見事に整理されている。添付する。
■その他
・男が集まって「子供が増えなければ」と議論しても不毛。女性たち中心で議論しなくては。
【所見】
・予想通りのとても良い講演会だった。実際の人口データを基にしたほぼ確実な予想と経済的な実態を提示して、今後の処方箋を提案している。
・個人的には「地域外にお金が出ていかないようにする」「地域外からお金を稼ぐ」の2つが地域づくりに必要だと考えていたが、その方法や根拠、「エネルギー」「食糧」がそのキーとなることなど、大変参考になった。
第二部 藻谷浩介×移住女子トークセッション 15:50~16:55
「若者が移住しやすい・したくなる地域づくりを考える」
◆スピーカー:
・藻谷 浩介
・坂下 可奈子(移住女子/Iターン)
・渡辺 紗綾子(イナカレッジインターン生/Iターン)
・栗原 里奈(移住女子/Iターン)
◆進行:
・金子 知也(イナカレッジ事務局/Iターン)
【気になった発言や内容】
・移住は出入り自由でいいはず。東京ではそう。田舎でもそれでいいはず。自由な出入りする人を沢山増やして、そのうちの何人かがのこればいい、ということでいい。
・今は、田舎へは、ツアーで、ボランティアで、インターンで、と様々なきっかけで入ってこられる。
・3人の移住女子ともに、受け入れ側に有力者で世話好きな人の存在が大きい。
・3人とも都会での生活経験がある。
・イナカレッジインターン生である人に、なぜ地域おこし協力隊ではなかったのか?との質問に「地域おこし協力隊」は担当地域に縛られそうで、行政管轄で堅苦しそうでやめた、という感想。地域おこし協力隊へのイメージとして気になった。
【所見】
・3人の移住女子の価値観「都会は住むところではない。自然の中で土、畑、農的生活を求めた」は、私が都市部から地方への移住を促すために必要とする価値観そのものだった。おそらく若者世代全体のうち、このような価値観をもち実行しようとする割合は1,2割(考えている人だけなら5割近いかなと思うが)。その1、2割の世代に糸魚川に来てもらうメッセージを届け、実際に来てもらい、体験してもらうにはどうしたらいいか。受入側の地元の役割りがいかに大きいか。痛感した。
・予想以上に移住女子3名が元気でタフで逞しい。世代が違うなとつくづく感じた。そして、今のこの世代の逞しさなら、自分が思う以上にこの世代の若者たちが世の中を変えていくのかもしれないと元気がでた。
【全体所見】
・一言でいうと元気が出る研修だった。よかった。
・研修の最後の藻谷さんの言葉「男性のみなさん、女性が輝く新潟をつくりましょう!」にその通りだと感じた。もしかしたらそれに尽きるのかもしれないと思った。
以上
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