2014年6月29日日曜日

平成26年度 根知小学校 防災キャンプ(1日目)

2014年6月29日(日)
今年も根知小学校の防災キャンプの日がやってきました。
4回目になる今回は、土砂災害を想定した訓練が行われました。
地域をまわっての防災設備のチェック、防災教育授業、炊き出し訓練、夜のパトロール、テント泊。それぞれの訓練をこなしていく子供たちの様子、地域に対する想いに感動しました。地域づくりには、子供たちのパワー、アイデアが必要不可欠ですね。
大人にとって子供たちは守っていく対象であると同時に、教わる相手(先生)でもあるように思いました。

さて、以下ではそんな平成26年度、根知小学校の防災キャンプの様子を2日分(2回に分けて)、詳しく紹介していきます。(かなり長いブログになります)
どうぞ↓
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8:45
根知小学校の体育館にて
防災キャンプの開所式がはじまりました。
小学校の児童に先生、そして保護者の皆様、地域の方々(各集落の区長さん等)が開所式にのぞみます。
まずは、「子供防災士」(作詞:根知小学校児童、作曲:菅原巧さん)という根知小学校のオリジナル歌をみんなで歌いました。昨年できた歌とのことです。
続いて校長先生からのお話しです。
「今回で4回目、今までと違うこともやります。1年生が今年は多いです、高学年生はよく低学年を見てあげてください。
「3つのスローガン、『考えること』『伝えること』『関わること』、この3つを忘れずに、この2日間をすごしてください。」
児童から大きな返事が返ってきました。
実はこの日はPTAのAED講習会の日でもありました。プール監視には必須の資格のための講習です。保護者の皆様、御疲れ様です。
9:00
■ミッション1 「地域の防災設備等の確認をせよ」
4つの縦割り班に分かれてのミッションです。
根小屋2か所、東中、栗山の4か所の防災巡回(防災設備のチェックや2年前に全戸配布した「安否札」の確認など)です。
※私は栗山担当班に入れさせていただきました。
※根小屋2か所はバスで移動します。
大人たちは後ろから付いていきます。結構歩くのね・・・
栗山公会堂に向かいます。
途中のお家で、まずは「安否札」の確認をしていきます。
ドキドキしながら、子供たちだけで、お家訪問。
「ご、ごめんください。・・・ごめんください!安否札の確認にきました」
1軒目は特に緊張します。
「安否札ありますか?」「あるよ~。今日はなにがあるの?リュックサックなんだねぇ」
「ごめんくださ~い。安否札ありますか?」「安否札?あ~どこだったかなぁ、これかな?」
※みなさん、安否札、ちゃんともっておられます。玄関先にかけてありました。
※行く先々で、子供たちと集落の方々の会話を聞いて、様子を見ていて、
あ~こういう交流、会話する時間、機会って大切だなぁ、と強く感じました。
1年に一回ではなく、もっと定期的に、日常的にこのような地域の人と子供たちの交流の機会あるといいなぁと考えさせられた次第です。

9:20

さて、県道を曲がって、公会堂に向かいます。
栗山集会所に到着しました(もう結構暑いですよ・・・)
区長の吉垣正さんが待っていてくれています。
栗山集落の概要について区長と社会福祉協議会会長さんからお話しをしていただきました。
「栗山集落へようこそ。ここを選んでもらってうれしいです。
後ろのお堂みたことありますか?今では根知でも珍しいと思うよ。
栗山集落は26世帯、55人。消火栓9か所、防火水槽1か所、半鐘1個です。
がんばって見つけてください。」
よしっ!いくぞ。
さっそく栗山集落の巡回をはじめます。消火栓、防火水槽のチェック、地図上にシールを張り、書き込みをしていきます。
かなり奥まったところにも、お家があります。
「あ、ここに消火栓がある!」 ムムムッ、こんなところにもあるんですね。
こちらのお家にも、しっかり安否札ありました。玄関先にかかって、すぐ使えるようになっています。
「よくきてくれたねぇ~」お家の方から喜ばれました。少しおしゃべりして失礼します。
順調にあるいていくと、途中、防火水槽がありました。
大きな金魚が気持ちよく泳いでいました。
男の子組、興味津々。
しかし・・・日差しが暑い・・・
栗山地区は高低差が大きい、坂の多い集落です。
土砂崩れの危険なところは?集落独自の危険個所もチェックしながら進んでいきます。
次誰行く?俺もう行ったよ。えーっ私も行ったけど。
5,6年生が中心に、児童みんなで、あれこれ言いながらも順調に戸別訪問していきます。
初めのドキドキした感じから、次第になれた様子へ。子供たちは順応が早いです。
途中からは、それぞれのお家での一言二言のおしゃべりも落ち着いたものです。
※なんだかとても懐かしい風景を見ているような気がしました。
一通り全戸を訪問(お留守のお宅もいくつかありました)して公民館に戻ってきたところで、
区長さんの粋な計らいで、実際に放水体験をさせていただきました。
思いのほかこのホース重いんだよね。水が出るとなおさらです。
全員が体験できました。これは貴重な体験だったと思います。
ちなみに、ここ栗山では、放水してから貯水槽は20分、消火栓は30分ほどもつとのことでした(消火栓は水道ではなく、溜めておくタイプのもの)
片付けるのは保護者の皆さん
消防団に入っているお父さん方、大変見事な手際の良さでホースをたたんでいきます。
お父さん、かっこいいです!
栗山集落の防災巡回が終わりました。
区長さん、社協会長さんにお礼のあいさつをして、小学校に向かいます。
「ありがとうございました!」
帰り道で山の奥から雷の音がとどろいてきました。
県道を渡って小学校に向かう途中で、ポツポツ…ザッ、ザーッ。一気にどしゃぶりです…
一目散に走ります(子供たちは走れるけど、大人はきつい・・・)
東中を巡回した班がすでに戻っていました。お疲れ様(^^)
ミッション1完了!
12:00 給食です。
今日は「お弁当スタイル」。
おにぎり、唐揚げ、レタス(そのまま)、ミニトマト(そのまま)がパックされたシンプル(だけどおいしい)避難所使用タイプのパック弁当です。

14:00

午後は防災授業(授業参観)からスタートです。
1,2年生。たくさんいますねぇ。
教室の絵などをもとに、「地震がきたときどうすればいいか?どこが危険か?」について話し合います。
3,4年生
最近の地震の発生状況、海で地震がおきたらどうする?具体的な状況想定での話し合いです。
「根知小学校の標高はどのくらいかな?147メートルだね」「地震があったら、20メートル高いところに逃げよう」
途中、東日本大震災のビデオも見ました。
5、6年生の授業風景です。
写真による具体的な危険シーンをもとに、危険な箇所、どんな点に気を付けるか。家屋、道路、橋。火災、倒壊、津波。様々なパターンで話し合います。途中からグループに分かれてのディスカッションも。
14:50
突然、緊急放送が入りました。「東中、山崎地区で土砂崩れの災害発生!」
急いで机の下に入ります。
災害の状況が把握できたところで、体育館に避難することになりました。
災害状況や避難指示を5,6年生教室のほうで拡声器を使って行ったところ、1年生の教室まで声が届きにくく、何度も確認しなおすということも起きました。
※これも避難訓練しているからこそ分かることですね。
みんな体育館に集合しました。
縦割り班で4班に分かれて整列します。
ここで、各班(4つ)のリーダーが集まって、リーダー会議が開かれました。
リーダー(6年生4人)と教頭先生、PTA保護者役員、公民館長がメンバーです。

「みんな、これからどの教室を使って避難所生活すればいい?」

「先生、まず使えないところを教えてほしい」
う~ん、やるなぁ小学生。
ゴミの処理はどうするか?立ち入り禁止のテープが必要ではないか?
驚いたことに、子供たちが積極的に大人顔負けで考え、発言してきます。
子供たちの目がキラキラして、堂々と大人たちと話しあう。そして内容も理に適っている。
小学生の高学年ともなると、もう立派に一人前なんだなぁ、と感動しました。
そして、そういう子供たちの発言を黙って聞いて、よりよい方向にアドバイスしていく大人のみなさん。忍耐力や包容力がないと実現しない。
今回のこのリーダー会議、本当に素晴らしかったです。
一方、リーダーを待つ各班メンバーは班分けと名簿、名札づくりを進めていました。
こちらも協力しあい、テープに名前を書いて切り取り、各自の服に貼っていきます。
リーダー会議で決まったことを、それぞれのリーダーが各メンバーに説明しています。

15:40過ぎ

避難所設営訓練です。
体育館下(ピロティー)に移動。
まずはテント設営です。
さっそくテントの袋を運んできて、設営をはじめました。
赤組、白組、それぞれ3つずつ設営します。大変だ。
意外にも子供たちはスムーズにはじめます。さすがに4年目なのですね。
特に5,6年生はスムーズです(ときどき「これどうするんだっけ?」というのがありますが、そこでまた経験を積んで、たくましくなっていくんですね)。
今回も災害により電気が使えないという想定です。
小型バッテリーが必須の状況になっています。(ちゃんと動くか、日頃のチェックが必要ですね)
下はコンクリート。テントを固定するのに苦労します。
赤組、白組ともにテントの向きを工夫しながら、着実に3つのテントを組み立てていきました。
※一つ気になったのは、下にプラスチック段ボールしか引いていないこと。しかも1枚ぺらっと。
先生方から、プラスチック段ボールを引いて、その上に段ボールひいた方がいいんじゃないの?といわれても、大丈夫だって。通常のキャンプなんかだと(大人たちだと)、冷たくて、寒くなって、ごつごつして硬くて、眠れないパターンなんだろうけど・・・毎年のことで大丈夫らしい。ここでもやっぱり子供たちは強い、と脱帽する。

16:30ごろ
全部のテント設営完了!
いや~極楽極楽
一気にくつろぎモード・・・(^_^;)
※まぁ3つもテント組み立てて疲れたかもね・・・
16:50ごろ
■ミッション2 「縦割りで協力してカレーライスを完成せよ」
「よ~し、夕飯づくり行くぞぉ~」
調理室に行く途中、立ち入り禁止の赤いテープが、
先ほどリーダー会議で決められた場所に貼ってありました。
子供たちが決めたルールです。
「ふっくらごはんの炊き方」というプリントを時々みながら、鍋でごはんを炊きます。
同時にカレー作りも始まりました。
子供たちは(赤、白に分かれて)専用の鍋、保護者の皆さんは保護者専用、
シビアに鍋を分け、作るのもそれぞれ子供だけ、大人だけで作るのでした・・・鍛えられてるなぁ
※これも毎年のことなんでしょう。もくもくと当然のごとく子供たちだけで進めていきます。逞しい様子なんだけど、子供たちにとっては当たり前になっていることなんですね。すごいです。こういうのが教育の原点につながっているように感じました。
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■6年生にインタビュー
実はこの夕飯づくりのときに、6年生5名にインタビューさせてもらいました。
ほんの数分しかできませんでしたが(いつかもっとしっかり話をきいてみたい)、
「根知の好きなところ」「根知がもっとこうなればいいなというところ」について聞いてみました。

Q:根知の好きなところは?
A:
・自然が多いところ。
・森、山。
・田んぼ。
・自然の中で遊べること。
・スキー場があるところ

Q:根知はもっとこうなればいいな、という事は?
A:
・子供がもっと多い方がいい。小学生は40人くらいいてほしい。
・子供も大人も、もっと人が増えてほしい。
・農業がもっと栄えてほしい、盛んになってほしい。
・根知をもっとPRしてほしい。
・賑やかになってほしい。
・様々な種類のお店があるといい。
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■3,4,5年生の何人か(その場にいた3人)にも聞いてみました。

Q:根知の好きなところは?
A:
・自然!
・楽しく遊べるところがたくさんあるところ。

Q:根知はもっとこうなればいいな、という事は?
・人がもっと増えてほしい。
・コンビニがほしい!
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中学校1年生の男の子(平井君)にもきいてみました。
Q:根知の好きなところは?
A:
・自然。山で虫取り。都会ではお金かけないと遊べない自然の中での遊びがたくさんできること。

Q:根知はもっとこうなればいいな、という事は?
・特にないです。いまのままの根知がいい。
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16:30ごろ
子供たちが調理室で夕飯のカレーを作っている間、
PTA保護者の皆さんは、体育館で勉強(!?)です。
「クロスロード」という災害対応カードゲームによる机上訓練をおこなっておりました。
これがなかなか難易度の高い、頭を悩ますカードゲームなのです。みなさん真剣に取り組んでおられました。
17:00
保護者の皆さんが試験中のような静けさで「クロスロード」に取り組んでいる横を、
子供たちの何人かは、もくもくとテーブル、パイプいすを運んでいきます。
夕飯の場所づくりです。
男の子たち、頼もしいです(^^)
無事、夕飯の舞台が整いました!
17:30ごろ
調理室に行ってみましょう。
ごはん、カレー、どんな感じでしょうか?
「ごはんの炊き方」「ゆで卵」「野菜サラダ」の説明資料が黒板に貼られています。それを時々チェック!
ごはんの炊けた甘い匂いが部屋に広がっています。(鍋のふた開けたいけど、ダメだよね…)

このかたまり、入れていいんだよね?1年生が悩んでいました。
2年生以上の子供たちはなれたものです。
気づくと、カレーのいい匂いも立ち込めてきました。ごはんとカレーの匂い、おなかがすいてきました。
「よし!完成!」
ミッション2完了!

出来上がったごはん、カレーを調理室から、夕飯の会場へ運びます(子供たちがやります)
前に並んだ鍋の前に一列に並ぶ子供たち、かわいいです。そしてかっこいいですね。
18:00ちょうど
「いただきます」
係の児童の掛け声で、待ちに待った夕飯です。
このカレー、うまいのなんの。本当においしい。
(・・・これ本当に子供たちが作ったのかな・・・、と実際に見ていないと、失礼ながら疑ってしまうくらい、超おいしかったのでした。あ、でもこれは保護者のみなさんが作ったカレーだっけ・・・)
やっぱりおかわりするよね。
「ごちそうさまでした」のあと、すぐに後片付けします。いいですね!
18:20ごろです。
18:30
外は日があたっています。が、今日はとても不安定な天気です。
光がさした時に、小学校から見える風景は芸術的でした。
19:00
■ミッション3 「東中地区をパトロールせよ」
東中地区の夜のパトロールに出かける準備です。
※すでにテントに荷物を運びこんで、それぞれテントに馴染みきっている子供たちです。
19:30すぎ
4つの班ごとに、3分間隔でスタートします。
ゴールは東中の下根知農村公園です。

県道、市道だけでなく、飯綱神社を通ったり、農道を通ったり。

※でも今年は1年生が多いので、あんまり怖くないようにしているとのことでした。
途中に沢山のホタルを見ながら、各学年らしい(?)会話が展開される中、道を進みます。

20:00すぎ

農村公園にみんな無事到着しました。
ミッション3完了!

「縦割り班で並んで。リーダーは人数確認して報告!」
先生の指示できびきび動いて、整列すると、
「今日最後のミッションです。ホタルを3匹以上捕まえて、これから配る袋(空気穴があけてある)に入れて持ち帰ります。それをテントに入れて、今夜はホタルの光を明りにつかってください。」
おぉ~。粋な計らいだなぁ(ちょっと火垂るの墓を思い出してしまったが・・・)。

ミッション4(サプライズ!?)
ホタルを捕まえて、テントの明りとせよ(ホタルは明朝逃がそう)」
この今日最後のミッション、難しいなぁと思ってみていると、「5匹捕まえた!」「7匹捕まえた!」

さすがだ、根知の小学生・・・(^^)

途中、少々雨が降ってきたりしましたが、ミッションを完了して小学校に帰るころには星空が広がっていました。


20:50ごろ。小学校玄関に到着。

今日1日お疲れ様でした。
子供たちは、明日も訓練が続きます。

※明日へ続く

※2日目はこちらから→平成26年度 根知小学校 防災キャンプ(2日目)

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